2025年12月★臨時号(高1~3)帯状疱疹は若年者でも発症します!
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
帯状疱疹と口唇ヘルペスの違い・共通点
帯状疱疹と口唇ヘルペスは、どちらも「ヘルペスウイルス」が原因で発症しますが、原因となるウイルスの種類が異なります。
しかし、どちらのウイルスも一度感染したら症状が治まった後も神経に潜伏し、免疫力が低下したときなどに活発になって再発します。
| 帯状疱疹 | 口唇ヘルペス | |
| 原因ウイルス | 水痘帯状疱疹ウイルス | 単純ヘルペスウイルス1型 |
| 潜伏期間 | 数十年(水痘発症後から帯状疱疹発症までの期間) | 約2~10日(初感染後から最初の発症までの期間) |
| 主な症状 | 体の左右どちらかに帯状の発疹 | 唇やその周辺に水ぶくれ |
| 治療法 | ウイルスが増えるのを防ぐ医薬品(抗ウイルス薬)の使用、重症の場合は点滴 | |
| ワクチン | あり | なし |
| 市販の治療薬 | なし | あり(塗り薬のみ) |
| 再発の主な原因 | 加齢や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下 | |
| 再発の頻度 | 少ない | 比較的多い |
| 予防方法 | ワクチン接種 | 紫外線(強い日焼け、広範囲の日焼け)を避ける
発症している人のタオルや食器などを共有しない |
| 睡眠を十分にとる、栄養をしっかりとる、疲労を蓄積させない、ストレスをためない | ||
市販薬はある?
帯状疱疹の治療薬は市販されておらず、医師に処方してもらう必要があります。
そのため帯状疱疹が疑われる場合は、皮ふ科を受診してください。
治療法
ウイルスが増えるのを防ぐ医薬品(抗ウイルス薬)を使用します。医薬品を使ってウイルスが増えるのを防ぐことで、皮ふ症状や痛みを和らげ、合併症や後遺症を軽減します。
水ぼうそうのように全身に水ぶくれが出現したり高熱を伴ったりする場合は、点滴による治療が必要なことがあります。
帯状疱疹ワクチンの特徴
| 種類 | 組換えワクチン(※) | 弱毒生ワクチン | |
| 接種対象者 | 50歳以上の人、または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18~49歳の人 | 50歳以上の人 | |
| 副反応 | 注射部位の痛み、発赤、腫れ、頭痛、疲労、筋肉痛、ふるえ、発熱、消化不良 | 注射部位の痛み、発赤、腫れ、かゆみ、頭痛 | |
| 回数 | 2回 | 1回 | |
| 費用 | 40,000円以上(2回接種の合計) | 8,000円程度 | |
| 接種方法 | 筋肉に注射 | 皮下に注射 | |
| 予防効果 | 接種の1年後 | 9割以上 | 6割程度 |
| 接種の5年後 | 9割程度 | 4割程度 | |
| 接種の10年後 | 7割程度 | - | |
※ 組換えワクチンは予防効果が高く効果の持続時間も長いため、弱毒生ワクチンよりよく使用されています
参考:
・厚生労働省HP「帯状疱疹ワクチン」
・金沢市医師会HP「帯状疱疹と予防ワクチンについて」(すこやか, 第189号, 2023年9月1日)
・恩賜財団済生会HP「口唇ヘルペス」
・MSDマニュアル 家庭版「ヘルペスウイルス感染症の概要」
・国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトHP「帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ(1997-2017)」アップデート(IASR Vol. 39 p139-141: 2018年8月号)」