2025年10月号(高3)アニサキスによる食中毒と予防方法
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
新鮮な魚の見分け方
アニサキスは主に魚の内臓に寄生していますが、魚が死ぬと筋肉(実際に食べる身の部分)に移動するため、鮮度が落ちた魚ほど食中毒のリスクが高まります。
そのため新鮮な魚を選ぶことも重要なポイントです。
〔新鮮な魚のポイント〕
○目の色が澄んでいるもの
・目が赤くなっていない(血が混じっていない)
・白く濁っていない
○えらの色が鮮やかなもの
・えらの色が鮮やかな赤色で、白っぽくない
○体表の色やつやの良いもの
・赤い魚は赤く、青い魚は青いもの(鮮度が落ちると白っぽくなります)
・表面がつやつやしている
○魚体(特に腹部)に弾力性があるもの
・腹に弾力がある
・切れて内臓が出ていない
・持ったとき、全体に張りがある
治療法
アニサキス症になると、胃内視鏡検査によって胃に刺さっているアニサキスを発見し、専用の器具を用いて摘出します。
摘出すると痛みがすぐに和らぎます。
現在、アニサキスを死滅または体外に排出させられる医薬品(駆虫薬:くちゅうやく)は開発されていません。
アニサキス症になるか心配な方は・・・
スーパーなどで販売されている魚介類は、一般的に鮮度が高いか、きちんと冷凍処理されています。
しかし、心配な方は店員に問い合わせてみましょう。
また調理時、ブラックライトを使用すると、アニサキスが光って発見しやすくなります。
ブラックライトはホームセンターなどで販売されています。(ライトの光を見つめると目に悪影響を及ぼすため、使用には注意が必要です)
アニサキスの寄生サイクル
アニサキスの幼虫は、まずオキアミなどの甲殻類に食べられ、その体内で成長します。
次にサバ、カツオ、サンマなどの魚介類がオキアミを捕食すると、幼虫はその魚介類の内臓や筋肉に寄生します。
最終的にクジラなどの海洋哺乳類がこれらの魚介類を食べることで、幼虫はその体内で成虫となり産卵します。
養殖魚にはアニサキスが寄生しない?
養殖魚は食べているエサや環境が限られており、アニサキスを食べる機会が少ないため、感染する可能性は天然魚と比べて低いです。
特に、陸上で養殖された魚介類は、使用する餌にもよりますが、アニサキスに感染する可能性は極めて低いです。
参考:
・国立健康危機管理研究機構HP 感染症情報提供サイト
・厚生労働省HP
・農林水産省HP
・東京都保健医療局HP